鈴木総合法律事務所 弁護士 /鈴木 仁史
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「令和5年版犯罪収益移転危険度調査書」においては、マネー・ローンダリングを行う主な主体(暴力団、特殊詐欺の犯行グループおよび来日外国人犯罪グループ)に関する分析が深化している。特に特殊詐欺を巡る近年の犯罪情勢の記載が充実した。特殊詐欺の手口の巧妙化を踏まえ、金融機関の預貯金サービスが特殊詐欺に不正に利用されないためには、多元的アプローチを採用する必要がある。①口座の開設・転売防止、②ATM利用額等の制限、③被害発生時の対応──という三つの視点と、官民連携した特殊詐欺への対応が重要になる。
すずき ひとし
銀行・信用金庫・生損保等の金融法務、反社対応・AML/CFT、コーポレートガバナンスなどを取り扱う。著書に『金融サービス不正利用排除事典』(共著)、『実務必携信用金庫法』、『マネー・ローンダリング規制の新展開』(共著)、『地域金融機関の保険業務』(共著、すべて金融財政事情研究会)ほか。
掲載号 /週刊金融財政事情