東京女子大学 特任教授 /長谷川 克之
日本の国債市場の機能低下が叫ばれて久しい。日本銀行のイールドカーブ・コントロール政策によって、国債市場が本来持つ日本経済・財政の先行きへのメッセージ機能も失われている。「炭鉱のカナリア」としての役割を国債市場に替わって担っているのが円相場だ。50年ぶりの超円安は何を意味するのか、市場の声なき声に耳を傾ける。
はせがわ かつゆき
88年上智大学法学部卒業、97年ロンドン大学経営大学院(LBS)修了。日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。国際金融調査部、ロンドン支店、調査部を経て、みずほ総合研究所(出向)。 市場調査部長、チーフエコノミスト等を経て、22年から現職。著書に『サブプライム金融危機』『ソブリン・クライシス』『激震 原油安経済』『中国発世界連鎖不況』(いずれも共著、日本経済新聞出版社)。
掲載号 /週刊金融財政事情 2022年5月24日号