特集コロナ財政の帰趨

MMTは政治的経済学から見て、まったく現実味がない

経済成長と財政健全化の愚直な取り組みが政府債務の発散を防ぐ

立正大学 学長 / 吉川 洋

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わが国の政府債務残高対GDP比は260%に近づいており、世界で最悪の水準だ。コロナ禍や震災のときには財政で経済を支える必要があるが、平時でも社会保障費の増大によって財政赤字は増加の一途をたどっている。MMTを唱える人は、「インフレ率が上がってきても増税すれば問題はない」と言う。しかし、ボタンを一つ押せば消費税を上げられるわけではないので、MMTの議論はまったく現実味がない。国債金利はこれまで低位に安定してきたが、プライマリーバランスが赤字のまま金利が成長率を上回るようになれば、債務残高が発散しかねない。やるべきことは愚直に経済成長と財政健全化の努力を続けることに尽きる。

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よしかわ ひろし
74年東京大学経済学部卒、78年イェール大学博士号取得。ニューヨーク州立大学助教授、大阪大学助教授、東京大学経済学部助教授、同教授を経て、16年4月立正大学経済学部教授、19年4月から現職。経済財政諮問会議議員、財務省財政制度審議会会長、日本経済学会会長などを歴任。10年紫綬褒章受賞。

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