特集FATFが突き付ける日本の課題

金融機関に経済安全保障上の監視業務を求めるなら法整備が必要

未然防止策の観点から有効な情報を提供できるのは金融機関だけ

中部大学 経営情報学部 教授 / 酒井 吉廣

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政府は6月18日に決定した「成長戦略実行計画」において、政府として現時点で考え得る経済安全保障政策を発表した。日本の経済安全保障は、昨年4月に国家安全保障局(NSS)に設置された「経済班」が中心となって担当するが、外為法関連に対応する財務省と経済産業省、マネロン等との関係では金融庁、国内における外国人の行動調査をカバーする公安調査庁の協力を受ける。また、重要土地規制法に絡む国土交通省、総務省と地方自治体なども関連するなど、関係省庁に加え地公体からなる過去に類を見ない横のつながりを基盤とする。経済安全保障が危機に瀕するケースとは、その多くが実業界に関連するものとなるが、いずれも証券や保険を含む広義の金融機関等が水際対策をすることで、事前防止や事後のトレースなど実効性の向上が期待される。しかし、これは金融機関が過去に経験したことのない業務であり、司法や行政側に立つことの意味を真剣に考えた法整備が必要である。

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さかい よしひろ
85年日本銀行入行。信用機構室人事担当調査役、米国野村証券CSO、日本政策投資銀行シニアエコノミスト等を経て現職。日銀で不良債権処理と共に安保対策に関与の後、米連銀等でAML/CFT対策に従事。著書に『CMBS(商業用モーゲージ証券)』(監訳、きんざい)等。ニューヨーク大学MBA、ボストン大学犯罪学修士。

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