解説

口座取引情報を活用した中小企業の実態把握と経営支援

早稲田大学大学院 教授 /根本 直子

日本リスク・データ・バンク 取締役 /大久保 豊

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コロナショックは全国の中小企業を直撃している。法人企業統計によれば、中小企業の今年4~6月の営業利益は前年同期比マイナス95%と過去最大の減益となった。だが、銀行口座の取引情報に基づく資金の流れを見ると、事業キャッシュフローは5月に改善方向に転じ、手元流動性も改善していることが分かる。こうしたデータを活用すれば、より実効的な中小企業支援が可能となる。企業の実態を把握するには、口座取引情報など決算書以外のデータを積極的に活用することが望まれる。

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ねもと なおこ
早稲田大学法学部卒、シカゴ大学経営大学院、一橋大学商学研究科(博士)。日本銀行、S&Pレーティング・ジャパンを経て現職。アジア開銀研究所エコノミストを兼務。

おおくぼ ゆたか
慶應義塾大学経済学部卒、ケンブリッジ大学政治経済学部大学院卒。住友銀行(現三井住友銀行)、マッキンゼー&カンパニーを経て、00年日本リスク・データ・バンク設立(現職)。