特集ステーブルコイン 革命の足音

BIS論文が示唆した次世代の通貨・決済システムの在り方

歩むべき王道は、分散型インフラと既存インフラとの連携

フューチャー 取締役(デジタル通貨フォーラム座長) /山岡 浩巳

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国際的な中央銀行の集まりである国際決済銀行(BIS)は、今年6月刊行の年報において「次世代の通貨・金融システム」と題する論文を公表した(注1)。これは「トークン化」の意義と通貨に求められる3要件、そして両者の関係を詳細に分析した大作であり、この分野で必読の内容となっている。BIS論文は、トークン化の応用形態の一つであるステーブルコインについて、これら3要件を満たしていないと評価した。本稿では、論文の概要を紹介した上で、次世代のデジタル通貨・決済システムの在り方を述べたい。

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やまおか ひろみ
東京大学法学部卒、カリフォルニア大バークレー校修士。米ニューヨーク州弁護士。IMF日本理事代理、バーゼル銀行監督委委員、日本銀行金融市場局長、同決済機構局長などを経て現職。