特集混迷する日本の財政

財政の危機的状況のなか、経済安全保障と経済成長を両立させよ

安全保障関連のリスクを見極めつつ、実効性のある経済政策を

東京財団政策研究所 研究主幹 /佐藤 主光

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国債頼みの財政運営がなされてきた日本。近年では、政府の大型の補正予算も恒常化しており、財政膨張に歯止めがかからない。一方、日本銀行は金融緩和の正常化に向かいつつあり、金利の上昇による将来的な利払い費用の増加で財政状況が一段と悪化しかねない。加えて、日本を取り巻く地政学リスクが高まるなか、経済安全保障の観点から、政府はサプライチェーンを強靭化させるための経済政策を進めなければならない。効果の見込めない経済政策を繰り返せば、その負担は将来の財政に重くのしかかる。政府には経済成長に資する安全保障の実行が求められる。

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さとう もとひろ
92年一橋大学経済学部卒、98年カナダ・クイーンズ大学博士号(経済学)。99年一橋大学に着任、現在に至る。専門は財政学・税制、地方財政、社会保障。政府税制調査会、財務省財政制度等審議会、内閣府規制改革推進会議などの委員を歴任。19年度日本経済学会・石川賞受賞。