鈴木総合法律事務所 弁護士 /鈴木 仁史
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2023年12月7日に公表された「令和5年版犯罪収益移転危険度調査書」では、これまで「準暴力団」として位置付けられていたものが、「匿名・流動型犯罪グループ」として新たに整理された。このグループは活動実態を匿名化・秘匿化していることからも、その実態の把握は困難であり、従前の反社対策のように、属性を中心とした暴力団排除条項(暴排条項)による関係遮断といった対応のみでは十分とはいえない。しかし、その目的が資金獲得である以上、ブラックマネーに着眼した対応が可能であり、金融犯罪対策としては、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CFT)との統合・連携がより重要となる。
すずき ひとし
銀行・信用金庫・生損保等の金融法務、反社対応・AML/CFT、コーポレートガバナンスなどを取り扱う。著書に『金融サービス不正利用排除事典』(共著)、『実務必携信用金庫法』、『マネー・ローンダリング規制の新展開』(共著)、『地域金融機関の保険業務』(共著、すべて金融財政事情研究会)ほか。
掲載号 /週刊金融財政事情