特集激震走る! 金融規制・監督

欧米金融システムの混乱が示した国際金融規制の問題点

マクロプルーデンスは機能不全、規制強化より改善に向けた点検を

みずほ証券 顧問 /宮内 惇至

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2008年の世界金融危機を契機として、金融規制を国際的に強化する改革が進められてきた。しかし、20年春のコロナショックや今春の欧米金融システム不安などの混乱が相次ぐなか、規制改革は当初期待されていた効果を発揮できず、市場の脆弱性を助長するなど欠陥を露呈している。本稿では、コロナ禍と銀行破綻における新しい規制の機能不全を整理した上で、失敗の根本的な原因と改善の方向を探り、日本に対する示唆と内外当局の見直しに向けた動きを整理する。

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みやうち あつし
81年東京大学卒、日本銀行入行。金融機構局参事役(バーゼル銀行監督委員会担当参事役)、決済機構局長、お茶の水女子大学客員教授などを経て、15年から現職。著書に『金融危機とバーゼル規制の経済学』(勁草書房)など。