特集転換期の日本財政【財政政策編】

厳しい財政運営の下、フューチャー・デザインに活路を見いだせ

「仮想将来世代」としての独立財政機関の役割

慶應義塾大学 経済学部 教授 /小林 慶一郎

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防衛力の抜本的強化や異次元の少子化対策など、巨額の財政支出を要する政策が打ち出されている。防衛費の増額について今後5年間に43兆円という支出が決まり、追加財源が必要な4兆円分のうち1兆円は増税が決まったものの、増税以外の3兆円は剰余金などの一時的な財源である。5年間の計画が終わった後も同水準の防衛費を支出し続けるとしたら、次の5年間は3兆円の穴が開く。現状、厳しい財政運営が続くなか、財政健全化への道をどう描くべきか。本稿では、長期的で客観的な将来推計の共有の必要性を論じる。

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こばやし けいいちろう
91年東京大学大学院工学系研究科修了工学修士。同年通商産業省入省。98年シカゴ大学大学院経済学研究科博士課程修了(Ph.D.)。経済産業研究所上席研究員、一橋大学経済研究所教授を経て13年から現職。