特集岐路に立つ日本銀行

さまよう異次元緩和の先に待ち受ける険しい道のり

出口戦略に欠かせない「理念」「手順」「覚悟」

オフィス金融経済イニシアティブ 代表 /山本 謙三

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日本銀行の「異次元緩和」が始まってから丸10年がたとうとしている。金利の超低水準への抑え込みと大量の国債購入は、市場機能を著しく阻害してきた。2022年12月の金融政策決定会合で決まった長期金利の変動幅拡大も、真の機能回復には程遠い。このまま緩和を続ければ、新陳代謝の遅れ、財政規律の緩みなどの副作用が一段と強まる。一方、早期に出口に着手する場合も、金融機関の含み損の拡大や株価等への短期的な影響は避け難い。本稿では、異次元緩和の是非を論じるとともに、自ら作り出した高いハードルを日銀はどのような「理念」と「手順」で乗り越えていくべきかを考える。

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やまもと けんぞう
76年日本銀行入行。金融市場局長、米州統括役、決済機構局長、金融機構局長を経て、08年理事。金融システム、決済の担当として、リーマンショックや東日本大震災への対応に当たる。12年NTTデータ経営研究所取締役会長、18年オフィス金融経済イニシアティブ代表(現職)。ウェブサイトでオピニオンを発信中。