解説

仕組み債問題で転換迫られる金融機関のリテール戦略

販売停止など目先の対応では「金融庁の真意」を見誤りかねない

日本資産運用基盤グループ 主任研究員 /長澤 敏夫

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最近、銀行や証券会社が仕組み債の販売を停止・制限するといったニュースを頻繁に目にするようになった。これは、金融庁が、金融行政方針等の公表物で立て続けに仕組み債を問題視したことを受けての対応である。金融機関に顧客本位の業務運営を求める金融庁は仕組み債の何を問題視しているのか──。そこには、個別商品の販売方針の見直しといった目先の対応にとどまらない、持続可能なリテールビジネスの構築を含む経営戦略の見直しを迫る金融庁の姿がある。

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ながさわ としお
84年太陽神戸銀行(現三井住友銀行)入行。デリバティブ業務、リスク管理業務等に従事。11年1月金融庁入庁。「顧客本位の業務運営」のモニタリング等に従事、19年8月から主任統括検査官。20年12月金融庁を任期満了につき退職。21年3月から現職。21年5月からQUICKに兼務出向。