今年6月、金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループの報告書で、気候変動対応・人的資本への取り組みといったサステナビリティー情報や、コーポレートガバナンスに関する開示の制度化が提言された。従来、これらの情報の多くはコーポレートガバナンス・コード(=ソフト・ロー)で開示が求められ、統合報告書などに盛り込まれてきたが、23年にも有価証券報告書に記載欄が設けられ、罰則などを伴う「ハード・ロー」に基づく開示に移行することになる。
また、今回の議論では、四半期開示の見直しにも注目が集まった。四半期開示を「四半期決算短信」に一本化する方向性は固まったものの、その具体的な方策には検討が必要な論点が多く残り、今後も議論が続く見通しだ。岸田政権の掲げる「新しい資本主義」の下で、企業が投資資金を呼び込むために不可欠な開示制度はどのように変わっていくのか。
掲載号 /週刊金融財政事情 2022年8月30日号