特集問われる「公的資金」の意義

公的資金の注入を地銀「業務改革」のカタリストに

金利環境が変わりつつある今こそ、ビジネスモデル変革のとき

Y'sリサーチ 代表 /山田 能伸

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公的資金の注入を巡っては、モラルハザードを生む懸念も指摘されるが、過去の実績を見ると、公的資金注入を機に主要行では再編が一気に進み、収益性が大幅に改善された。一方、金融機能強化法による地銀への資本注入では一定の成果が出ているものの、大きな業務改革にはつながっていない。足元では欧米各国で利上げが続いており、日本でも金利上昇が起きれば収益面での下支えとなり、改革を進めやすくなる。今後注入される公的資金は、銀行自身のDXや顧客向けのSDGsコンサルティングなど、ビジネスモデルの変革に向けた「シードマネー」としても活用していくべきだ。

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やまだ よしのぶ
78年富士銀行(現みずほ銀行)入行。94年株式アナリストに転身。メリルリンチ証券、ドイツ証券などに在籍し、市場で高い評価を得る。金融審議会「公的資金制度に関するWG」「我が国金融業の中長期的な在り方に関するWG」の委員を歴任。PwCアドバイザリーを経て、20年にY'sリサーチを設立。慶應義塾大学経済学部卒、ウォートンスクールMBA。