特集問われる「公的資金」の意義

金融庁の目利き力をも問うコロナ特例の波紋

金融機関の「モラルハザード」を防ぐため自発的に返済期限などを宣言させる可能性も
  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

バブル崩壊からリーマンショック、東日本大震災と大きな経済ショックが起きるたびに、公的資金は新たな役割を帯びながら活用されてきた。20年8月に施行された金融機能強化法の「コロナ特例」は、パンデミックによって自らの経営努力とは関係なく窮境に陥った中小企業を金融機関の資本で支えるために設けられた。そのため、「収益目標を定めない」「返済期限を定めない」「経営責任を求めない」といった枠組みとなっている。他方で、経営責任等が問われないことから、有価証券運用の失敗などで生じた資本の棄損をコロナ特例で穴埋めするモラルハザードの懸念も燻(くすぶ)る。公的資金を巡る課題を整理しながら、コロナ特例の在り方を考える。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら