特集混迷の不動産市場

インフレ&金利上昇──コロナ禍を乗り越えたJリートに再試練

立地による収益性重視で、東京23区への投資割合が急上昇

SMBC日興証券 株式調査部 シニアアナリスト /鳥井 裕史

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新型コロナウイルスの感染拡大以降、Jリートの投資セクター別(タイプ別)のパフォーマンスは大きく変動した。2020~21年には物流施設型リートが大きく上昇した一方、需要減を嫌気されオフィス型やホテル型は厳しい状況に陥った。また、ポートフォリオの競争力強化が問われる中で、首都圏への投資比率が上昇するなど、立地をより重視する傾向が見られた。足元では、金利上昇によって投資家からの要求利回りが上昇するリスクや、インフレに伴い不動産価格が上昇することで継続的な物件取得が難しくなることなどが、懸念されている。

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とりい ひろし
大和総研、大和証券SMBCを経て10年から現職。15年以上にわたってJリート市場の調査・分析に従事。「Institutional Investor」誌「All-Japan Research Team」リート部門で12~22年で11年連続1位。「日経ヴェリタス」アナリストランキング・リート部門で16~22年で7年連続1位。日本証券アナリスト協会検定会員。不動産証券化協会認定マスター。不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員。