特集深刻化する「空き家問題」

2038年には3戸に1戸が空き家という社会が到来する恐れ

一時的に低水準だった空き家の増加率が再び上昇する可能性も

野村総合研究所 アーバンイノベーションコンサルティング部 シニアコンサルタント /大西 直彌

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空き家数および空き家率が一貫して増加している。現時点の空き家の計数もさることながら、より深刻な問題は将来的にどの水準まで増加するかにある。2015年の「空家等対策の推進に関する特別措置法」施行により空き家の増加ペースは鈍化したが、あくまで一時的な現象であると考えられる。野村総合研究所の予測では、38年には空き家率が31%まで上昇する可能性があるとみている。言い換えれば、3戸に1戸が空き家、つまり「両隣のうち片方が空き家」という社会が到来しかねない。

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おおにし なおや
17年大阪大学大学院工学系研究科修了、野村総合研究所入社。住宅・不動産業界を中心とした戦略コンサルティング業務や、中央官庁・民間企業のスマートシティ関連業務に従事。