暗号資産の巨額不正流出や市場の低迷によって、経営難にあった暗号資産交換業者。だが、2020年後半からの相場好転によって投資家の関心が高まったことから、暗号資産業界はいま活況に沸いている。一方で、暗号資産は依然として投機的な色彩が強く、黎明期に期待されていた決済手段としては広がりを見せていない。マネー・ローンダリングなどに使われるリスクもあることから、その存在意義には疑いの目も向けられている。そうしたなか暗号資産交換業者は、暗号資産を用いた資金調達手段であるIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)などの新規ビジネスを手掛けて、業務の幅を広げつつある。暗号資産を決済手段として普及させていくための取り組みも胎動し始めた。これまで雲をつかむようなビジネス展開だった暗号資産に、新たなビジネス領域が芽生えている。
掲載号 /週刊金融財政事情 2022年5月17日号