特集道半ばの顧客本位

米欧の開示例が示唆する今後の「重要情報シート」の在り方

顧客本位を進めるために想定顧客層やコスト開示の精緻化を

大和総研 金融調査部 主任研究員 /是枝 俊悟

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金融庁が2021年1月に「顧客本位の業務運営に関する原則」を改訂して以来、各金融事業者では、顧客向けの金融商品の説明資料「重要情報シート」の導入が徐々に進んできている。一方、同原則がプリンシプルベースということもあって、多様な商品の比較を行いやすくするという趣旨の実現に向けては道半ばとの声もある。本稿では、海外版の重要情報シートといえる米国の「Form CRS」、およびEUの「PRIIPs KID」における取り組みを参考に、より分かりやすい情報提供に向けて、どのように重要情報シートを高度化すべきかを考察する。

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これえだ しゅんご
08年早稲田大学政治経済学部卒、大和総研入社。15~16年金融庁総務企画局国際室へ出向。16年大和総研に帰任、20年から現職。著書に『35歳から創る自分の年金』(日本経済新聞出版社、20年)など。