特集ウクライナ危機 諸刃の経済制裁

台湾有事でも中国への経済・金融制裁は通用するか

経済制裁は副作用が甚大だが、金融制裁には一定の効果

東京財団政策研究所 主席研究員 /柯 隆

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻と同様に、中国が台湾に侵攻する「台湾有事」への懸念が国際社会で高まっている。その際も、米国が軍事的に介入することは難しく、経済制裁を科すことが現実的な選択肢となる。だが、中国に対する経済制裁の副作用は非常に大きいと考えられ、国際銀行間通信協会(SWIFT)から中国の銀行を排除する金融制裁の効果も見込み薄だ。ただし、中国人民銀行や中国政府要人のドル資産凍結は効果が見込める。自由主義国家と強権主義国家の対立は今後も続くとみられ、日本は経済安全保障の観点から、強権主義国家への経済依存度を減らす動きを加速させるべきだ。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

か りゅう
63年中華人民共和国・江蘇省南京市生まれ。88年来日、愛知大学法経学部入学、92年卒業。94年名古屋大学大学院修士課程修了(経済学修士号取得)後、長銀総合研究所国際調査部研究員、富士通総研経済研究所主席研究員などを経て18年から現職。著書に『「ネオ・チャイナリスク」研究』(慶應義塾大学出版会、21年)ほか多数。