トリグラフ・リサーチ 代表 /大久保 清和
上場地域銀行の2021年9月期決算は、コロナ禍での貸出増加など一過性要因が追い風となり、伝統的銀行業務の収益悪化に歯止めがかかったことを示唆する内容であった。地域銀行は、これを好機と捉え、今後3年をメドに抜本的経営改革を進めるべきである。業務範囲規制の緩和やDXの進展など「今だからこそ選択できる経営変革の道筋」はすでに見えている。「銀行の殻」を破り、柔軟で広範な連携・協業体制を確立することが、今後の地域銀行経営の王道となろう。
おおくぼ きよかず
中央大学卒、一橋大学大学院修士課程修了(金融戦略MBA)。野村証券、バークレイズ、JPモルガン、日本銀行などで33年間にわたって銀行業界の調査・助言業務に従事。13年にトリグラフ・リサーチ開業。16年からSBIインベストメント金融企画戦略担当執行役員兼務。
掲載号 /週刊金融財政事情 2022年1月4日号