解説

フォワードルッキング引当の導入拡大が進まない「構造的背景」

当局は先行事例の開示と財務的影響を考慮した段階導入の検討を

日本総合研究所 調査部 金融リサーチセンター 副主任研究員 /大嶋 秀雄

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金融検査マニュアルの廃止後、メガバンクを中心にフォワードルッキング引当の導入が始まっている。他方、地方銀行では計測モデル開発のハードルの高さや、金融当局・監査法人等に説明可能なガバナンス態勢・決定プロセス構築の難しさ、財務的余力の少なさを背景に、明示的に導入を発表したのは足元で3行にとどまる。金融当局には、アドバイスやガイドライン提示等による導入サポート、先行導入した金融機関事例の開示の促進、財務影響を軽減するための段階的導入などの施策を通じて、中小金融機関を含めて導入を促すことが望まれる。

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おおしま ひでお
京都大学理学部卒、三井住友銀行入行。日本総合研究所調査部、日興リサーチセンター理事長室、三井住友銀行リスク統括部を経て現職。専門は金融機関の経営環境、金融システム。