特集新境地を拓く「事業成長担保権」

法制度や融資実務に与える影響と想定される活用場面

新たな融資実務に向けた工夫が必要

長島・大野・常松法律事務所 パートナー 弁護士 /井上 聡

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金融庁が示した「事業成長担保権(仮称)」は、企業の事業全体を一つの担保価値として評価するものであるが、従来の金融実務にないものであるため、既存の法制度や融資実務に大きな影響を与える可能性がある。制度の詳細は定まってはいないが、金融機関にとっては、取引先企業との関係を深化させるきっかけになり得る制度であり、その活用方法によっては収益性の高い融資業務への展開も考えられる。本稿では、事業成長担保権が既存の制度等に与え得る影響や、活用される場面について考察する。

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いのうえ さとし
88年東京大学法学部卒、90年弁護士登録、94年ハーバード・ロースクール卒業。96~97年日本銀行金融研究所、98年から現職。法制審議会担保法制部会委員。金融取引の設計や組成等について助言するほか、金融当局の最新動向を踏まえたレギュレーション等について日常的に助言。金融グループの再編、金融機関の危機管理、取引先の破綻対応についても多くの経験を有する。