解説

不祥事調査で脚光を浴びるデジタルフォレンジックスの光と影

実態はAIと人間の協働作業、決して「魔法の杖」ではない

山口利昭法律事務所 弁護士 /山口 利昭

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企業不祥事が起きた際、その調査方法として、AIを活用してデジタルデバイスや会社サーバーからメールなどの膨大な情報を解析する「デジタルフォレンジックス調査(DF調査)」が脚光を浴びている。不祥事を起こした会社側の主張を覆すような「新事実」が明らかになることもあり、不正調査には欠かせない手法といえる。だが、その実態は人間とAIの協働作業であり、一定のバイアスも存在する。筆者は、不祥事発覚時の外部調査委員としてDF調査にも関わってきた。その経験をもとに、本稿ではDF調査の効能と限界について考察したい。

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やまぐち としあき
企業の有事対応支援、不正調査、コンプライアンス経営支援、コーポレートガバナンス態勢支援などが主たる業務。04年以来、複数の上場企業の社外役員を歴任。著書に『不正リスク管理・有事対応─経営戦略に活かすリスクマネジメント』(有斐閣)など多数。