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FSB市中協議文書「MMFの強靭性向上のための政策提案」の概要

コロナ禍で示された脆弱性へ向けた政策対応の考え方を提示

金融庁 総合政策局 総務課 国際室 課長補佐 /泉原 智史

投稿日2021.08.06. /週刊金融財政事情

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新型コロナウイルス感染症の全世界的な拡大に伴い、2020年3月に生じた市場の混乱は、金融安定の観点からさまざまな教訓を残した。特に、マネー・マーケット・ファンド(MMF)は、世界金融危機後に大規模な改革が実施されたにもかかわらず、米欧を中心に、一部商品から多額の資金流出が生じた。混乱は中央銀行の公的介入等により収束したが、同時に過去の改革が不十分だったのではないかという疑問を惹起した(注1)。これを受け金融安定理事会(FSB)は今年6月30日、今後のあり得る改革の内容を示す市中協議文書「マネー・マーケット・ファンド(MMF)の強靭性向上のための政策提案」を公表した。本稿では、本市中協議文書の内容と、今後の議論の流れについてご紹介したい。

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いずみはら さとし
08年弁護士登録(東京弁護士会)、篠塚・野田法律事務所に勤務。16~18年、英Daiwa Capital Markets Europe Limitedに出向。18年から現職。東京大学法学部・同法科大学院修了、英University College LondonおよびLondon School of Economics and Political Science修了。