金融ジャーナリスト /岩川 知樹
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金融庁が6月に公表したサステナブルファイナンス有識者会議報告書は、足元のサステナブルファイナンスを巡る課題を整理した意味で一定の前進だが、具体的な政策を欠く上、ゴール設定が誤っている。EUタクソノミーに関する誤解から、自国のタクソノミー制定を回避する姿勢が表れている。報告書は日本の非財務情報開示をする企業数を誇るが、欧州対比では圧倒的に負けている。誤った認識の下で日本のサステナブルファイナンスに関する政策論議が進むことが懸念される。2050年のカーボンニュートラル達成に向け、産業・エネルギー政策と金融行政を組み合わせた具体的な行動計画が求められる。
掲載号 /週刊金融財政事情