およそ半年後に「消える」LIBORへの対応が待ったなしの状況となっている。LIBORは金融取引の隅々にまで浸透した金利指標だけに、いまだLIBORに依存する取引は多く、一部には金融機関の対応の遅れが指摘されている。一方、LIBORに代わる金利指標が参照されるようになればなるほど、LIBORを用いた金融商品の流動性が低下するため、代替金利指標への対応が遅れている場合には含み損の発生や売却が困難になる恐れもある。公表停止までの最終局面を迎えたいま、日本の金融機関は対応を間に合わせ、無事にポストLIBORの時代を迎えることができるのか。
掲載号 /週刊金融財政事情 2021年5月25日号