特集本当に大丈夫か? 日本の財政

緊縮財政を封じ、ポリシーミックスによる成長を

不況期こそ積極財政と日銀の国債買い支えで経済を成長軌道に乗せよ

中央大学 経済学部 教授 /浅田 統一郎

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

不況時には国民所得が低下して税収が減少し、政府財政の赤字が拡大する。そのような場合には、「政府財政の健全性を回復するために増税して政府支出を減らすべきである」という緊縮財政主義は、世界中で根強い影響力を持っている。しかし筆者は、コロナ危機下の不況期にこそ、積極財政と金融緩和によるポリシーミックスが重要であると考える。本稿では、緊縮財政主義を批判するとともに、なぜ不況時には減税、政府支出の拡大、中央銀行による大胆な金融緩和を組み合わせた「反緊縮的」な財政金融政策が必要であるかを説明する。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

あさだ とういちろう
早稲田大学政治経済学部卒業。一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位修得満期退学。経済学博士(中央大学)。駒澤大学助教授、中央大学助教授を経て、94年から現職。著書に、『成長と循環のマクロ動学』(日本経済評論社) 、『マクロ経済学基礎講義 第3版』(中央経済社)ほか。マクロ経済学専攻。