解説

銀行競争のモデル分析と統合のメカニズム

銀行数の多寡を「ナンバーズ・エクィバレント」で評価する

FFR+ 代表 /碓井 茂樹

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菅義偉政権になり、銀行の再編が注目を集めている。筆者は、本職の傍ら銀行競争と統合に関する研究を続けてきた。現実に即したモデルを構築すれば、実証が難しい問題も明瞭な結論を導くことができる。例えば、現状、100以上ある銀行を営業基盤が同一規模の銀行十数行(ナンバーズ・エクィバレント)に統合しても、競争は維持され、市場成果の阻害度は僅少にとどまる。また、経営効率を高める銀行統合を契機に、統合の動きが各地に波及し、再編が促される可能性も示唆された。以下では、学術的研究成果を平易に解説したい。

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うすい しげき
83年日本銀行入行。金融機構局金融高度化センター企画役(現職)。07年7月、FFR+代表に就任(現職)。11年3月、日本金融監査協会を設立。一橋大、埼玉大、大阪経済大など多数の大学で客員教授・講師を務める。著書に『リスク計量化入門』『内部監査入門』(共著、金融財政事情研究会)。