解説

金融市場分断の回避に向けた国際的な規制・監督上の協力の強化

各国規制に潜む「意図せざる齟齬」の解消に向けた取り組み

財務省 東海財務局長(前金融庁 証券取引等監視委員会事務局次長 兼 国際証券監理官) /水口 純

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近年、ブレグジットや主要国間の貿易紛争など、世界市場の分断化の動きが見られるほか、金融規制面でも、リーマンショックの教訓を踏まえた国際共通ルールが合意される一方、デファクト・スタンダードを巡る角逐(かくちく)など「市場の分断」の傾向が生じつつある。金融庁は、市場の効率性を損なうようなかたちで各国の規制・監督が齟齬を来し、市場の分断を生む傾向には歯止めを掛けるべきと考えている。本稿では、筆者が携わってきたIOSCOでの取り組みを中心に、市場の分断への国際的な対応策や、金融庁の貢献について紹介したい。なお、文中意見にわたるところは必ずしも金融庁の見解ではなく、筆者の個人的な見解である。

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みずぐち じゅん
87年東京大学法学部卒、大蔵省入省。91年ハーバード大学ケネディスクール修了(公共政策学修士)。財務省国際局調査課長、金融庁総務企画局参事官、同庁総合政策局審議官などを経て、19年7月同庁証券取引等監視委員会事務局次長兼国際証券監理官。20年7月から現職。