特集本当の中国経済

習政権が唱えた「強国復権」は絵に描いた餅に

本格化する「脱中国化」、もはや世界の工場にあらず

東京財団政策研究所 主席研究員 /柯 隆

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5月22日に、当初の予定から2カ月以上遅れて、北京で全国人民代表大会(全人代)が開かれた。李克強首相は政府活動報告の中で、異例にも2020年の経済成長目標を掲げなかった。理由は中国経済を取り巻く不確実性にある。国内では、経済成長の大きな落ち込みが予想されているほか、対外的には、新型コロナウイルス危機をきっかけに、米国をはじめとした外国諸国との関係が悪化している。グローバル経済は大きく変わる可能性が出てきた。

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か りゅう
63年中華人民共和国・江蘇省南京市生まれ。88年来日、愛知大学法経学部入学。92年同大卒業。94年名古屋大学大学院修士課程修了(経済学修士号取得)後、長銀総合研究所国際調査部研究員(~98年まで)、98~06年富士通総研経済研究所主任研究員、06年同主席研究員を経て18年から現職。静岡県立大学グローバル地域センター特任教授や富士通総研経済研究所客員研究員を兼務。著書に『中国「強国復権」の条件 「一帯一路」の大望とリスク』(慶應義塾大学出版会、第13回樫山純三賞受賞、18年)ほか多数。