解説

政府・日銀一体となった持久戦覚悟の企業金融支援策

手厚い融資が企業の新陳代謝をそぐリスクも

一橋大学 国際・公共政策大学院 特任教授 /下田 知行

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コロナ禍で急拡大した財政出動を中銀が積極的な資金供給と低金利維持で支えるという、財政と金融の「一体化・運命共同体化」が日米欧で進展している。企業金融支援策を日米比較すると、「給付が手厚い短期決戦の米国、便利な融資で事業継続を持久戦で支える日本」という特徴が浮かび上がる。資金繰り支援融資については、ビジネスベースに近い米国に比べ、日本はカバーする企業の範囲、融資条件のいずれも格段に手厚い。ただ、借り手にとって便利過ぎる融資は、企業の存続可能性を評価する目を曇らせる副作用があることに留意する必要がある。

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しもだ ともゆき
89年東京大学法学部卒、日本銀行入行。国際決済銀行(BIS)派遣、信用機構室調査役、金融市場局企画役、金融機構局国際担当総括、国際通貨基金(IMF)日本代表理事代理、松山支店長、企画局審議役等を経て、18年から現職。趣味は世界中の動物園でカバを見て歩くことと宝塚観劇。