解説シリーズ 攻防 新型ウイルス危機 第3回

景気後退の谷は深いが、短期での回復がメインシナリオ

自国主義に陥ることなく、国際協調できるかが問われる

ソニーフィナンシャルホールディングス チーフエコノミスト /菅野 雅明

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新型コロナウイルスの猛威が世界を震撼させている。主要国での外出禁止・自粛要請によりサービス産業は大きな打撃を受け、リーマンショックを上回る世界経済の落ち込みとなる可能性が高い。金融・財政政策を総動員しても景気浮揚効果は限定的だ。隔離政策が奏功すれば、第2四半期が景気の底となり短期回復が見込める。一方、新型ウイルスの終息が後ずれすると、各国のさまざまな矛盾が表面化し、政治社会問題化するリスクが高まる。

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かんの まさあき
74年日本銀行入行、調査統計局経済統計課長・同参事を経て99年JPモルガン証券チーフエコノミスト・マネジングディレクター。17年から現職。東大経済学部卒、シカゴ大学大学院経済学修士。