特集改正個人情報保護法への対峙

データ社会の法的基盤整備の青写真をどう描くべきか

国際的なデータ保護の潮流を踏まえて、ビジネスモデルの構築を

新潟大学 法学部 教授 /鈴木 正朝

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2020年3月10日に閣議決定された個人情報保護法改正法案では、「仮名加工情報」を新設し「不適正な利用の禁止」を盛り込むなど、どのように本人を保護し、どうデータを活用すべきかといった考え方が明瞭になってきた。ただし、個人情報保護に関する三法の統合や、いわゆる「2,000個問題」など課題も残っている。一方、すでにEUではGDPRを制定し、域内の事業者、公的組織が同一の法に服し、データ経済の進展に備えている。経済界には規制緩和か規制強化かといった近視眼的な判断に陥ることなく、時代背景を先読みし、法の理念に問う大局的な理解が求められている。

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すずき まさとも
中央大学法学部卒、中央大学大学院法学研究科博士前期課程修了(法学)、情報セキュリティ大学院大学博士後期課程修了博士(情報学)。専門は情報法。JISQ15001:1999原案起草、プライバシーマーク制度創設、経産省個人情報保護ガイドライン作成、マイナンバー、個人情報保護法改正に関与。兼務先の理化学研究所では「人工知能(AI)と法」の研究を、情報法制研究所では理事長として情報法制に関する政策提言を行っている。