解説

米欧中銀による中長期的な「枠組み」の見直しと日銀への示唆

低インフレ時代にもかかわらず利下げ余地の乏しい中銀の矛盾

みずほ総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト /門間 一夫

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米国連邦準備制度理事会(FRB)は昨年から、金融政策の枠組みに関する見直し(レビュー)を行っており、その結果を今夏に公表する予定だ。欧州中央銀行(ECB)も本年1月の政策理事会で、同様のレビューを行うことを決めており、本年末までには結果を公表する見通しだ。米欧中銀が相次いで1年がかりの議論を行う背景には、低金利が常態化する中で金融政策の有効性を確保できるのかという危機意識がある。本稿では、米欧での議論の焦点や日本への含意について述べたい。

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もんま かずお
81年東京大学経済学部卒。88年米国ウォートンスクールMBA。81年日本銀行入行。調査統計局長、企画局長を経て、12年金融政策担当理事、13年国際担当理事。16年6月から現職。