解説≪決着!バーゼルIII≫

最終化が銀行経営に与える影響と健全性規制の今後

実務に与える影響は小さくなく、実施を含めた今後の規制のあり方には多くの論点

PwC総合研究所 マネージングディレクター /北野 淳史

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自己資本比率の分母にあたるリスクアセットのうち、信用リスクやオペレーショナルリスクに係るリスクアセットの計測手法の見直しが固まり、バーゼルIIIが最終化された。一連の見直しは、金融機関のリスクアセットの水準に影響を与えるだけでなく、今後のビジネス戦略やそれを支える自己資本管理、リスク管理に少なからず影響を与えることとなる。また、2022年より段階実施される予定となっているが、国内基準行の取扱いや金融機関をとりまく環境の急速な変化をふまえると、規制を実施する当局にとっての検討事項も多数あるといえる。

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きたの あつし
京都大学経済学部卒・同大学院経済学研究科修士課程(ファイナンス工学講座)修了。03年に金融庁に入庁後、08年から総務企画局国際室にてさまざまなバーゼル委の部会メンバーとして、バーゼル2.5、バーゼルIIIの策定に従事。10年から監督局にて国際基準行向けのバーゼルIIIの国内実施や国内基準行向け自己資本比率規制の策定、メガバンクの再建計画の検証、共通ストレステストの実施等を担当。15年から現職。