みずほ証券 グローバル戦略部 /村松 健
本年1月、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行が、日本の発行体として初めてパンダ債を発行した。人民元の国際化や中国の経済成長に伴い、日本企業にとっても、人民元調達は今後の課題になると思われる。本件パンダ債に見るように、中国当局も中国本土資本市場の対外開放を進めており、以前より、多様なファイナンスが可能となっている。日中政府間でも、関係改善に向けた取組みが進展しつつあり、パンダ債はその先鞭をつけたともいえる。本稿では、パンダ債の発行意義や将来の可能性を考えてみたい(注1)。
むらまつ けん
96年日本興業銀行に入行。富山支店、業務部、証券部、広島営業部、証券部を経て、15年12月から現職。著書に『銀行実務詳説 証券』(共著、金融財政事情研究会)、『NISAで始める「負けない投資」の教科書』(共著、東洋経済新報社)、『中国債券取引の実務』(共著、金融財政事情研究会)。日本財務管理学会所属。
掲載号 /週刊金融財政事情 2018年2月5日号