解説

動き始めたグリーンファイナンスの国際規格作り

「環境価値」を合理性のある共通手法や手順としてどう整備するかが課題に

環境金融研究機構 代表理事 /藤井 良広

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グリーンファイナンスの国際規格化作業が動き始めた。国際標準化機構(ISO)では昨年、グリーンファイナンスとグリーンボンドの規格作りのための二つの作業部会を立ち上げており、その議論が今年に入っていよいよ本格化する。ISOで環境金融分野の規格作りはほとんど例がないが、金融機関が気候変動分野のリスク・オポチュニティを適正に評価し、内外の投資家につなぐためには尺度となる共通基準の設定は望ましい。ただ課題もある。気候変動などの環境価値は、これまで金融的評価では非財務要因とされてきた。それを合理性のある共通手法や手順等としてどう整備するか。規格作りの背景と論点を整理する。

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ふじい よしひろ
72年大阪市立大学卒、日本経済新聞社入社。経済部編集委員を経て、06年上智大学地球環境学研究科教授。15年同客員教授、環境金融研究機構代表理事。ISOエキスパートのほか、GBP、CBIのオブザーバー等を兼務。