解説

日銀が進める「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」とは何か

政策の持続性を高めつつ、正常化への道も視野に入れる

日本経済研究センター 研究本部 金融研究室長 /左三川 郁子

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日銀が今回初めて採用したフォワード・ガイダンスは、消費増税の影響を見極めるまで政策変更しないという強いメッセージを示したものである。強力な緩和策を長く続ける観点から、国債市場の機能低下に配慮し、国債買入れを弾力化するとともに、長期金利が0.2%程度まで上昇することを容認。上場投資信託(ETF)の買入れ方針も見直した。副作用に配慮したこれらの措置は、政策の持続性を高めつつ、金融正常化に向けた静かな前進とみることもできそうだ。

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さみかわ いくこ
90年日本経済新聞社入社。97年日本経済研究センター出向、16年より現職。17年度より慶應義塾大学経済学部特別招聘教授。著書に『マイナス金利政策』、『金融正常化へのジレンマ』(近刊)など。