解説

世界に見る「TLPT」の現況と我が国へのインプリケーション

組織全体で、サイバーセキュリティー対策を講じる企業文化の定着を目指す

近畿財務局京都財務事務所長/前金融庁サイバーセキュリティ対策企画調整室室長 /鈴木 啓嗣

PwCあらた有限責任監査法人 システムプロセスアシュアランス部 シニアマネージャー /小林 由昌

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

近年のテクノロジーの急速な進展とデジタル化に伴い、サイバー攻撃が多様化・巧妙化するなか、諸外国では、より高度な評価手法として「脅威ベースのペネトレーションテスト(TLPT=Threat-LedPenetrationTesting)」が大手金融機関を中心に活用されている。なかには、TLPTを当局が主導し、金融機関にその活用を求める国もある。こうした諸外国の動向を把握するため、金融庁はPwCあらた有限責任監査法人に調査を委託し、今年5月に『諸外国の「脅威ベースのペネトレーションテスト(TLPT)」に関する報告書』を公表した。本稿では、同報告書の内容も踏まえ、当局が主導するTLPTの現況、利点と課題、今後の活用の方向性について解説する。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

すずき ひろつぐ
95年大蔵省(現財務省)入省。13年金融庁監督局総務課監督調査室課長補佐、14年金融庁監督局保険課総括課長補佐を経て、15年7月から18年6月まで総務企画局政策課サイバーセキュリティ対策企画調整室室長。18年7月から現職。

こばやし よしまさ
06年PwCあらた有限責任監査法人に入所。金融機関向けにサイバーセキュリティやプロジェクトアシュアランスなど、システムリスク管理に関わるアドバイザリー業務に従事。