解説

経営者保証の解除に際しての「囚人のジレンマ」モデルの有効性

保証解除で、経営者に粉飾の〝自白〞を促すことも

ゴードン・ブラザーズ・ジャパン シニアマネージングディレクター 執行役員 /堀内秀晃

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中小企業の経営者は、融資を回収され、企業が倒産に追い込まれることを懸念して粉飾を隠しがちだ。しかも、保証人たる経営者は、自己破産を回避すべく、企業の延命をギリギリまで画策することから、粉飾は倒産間際・直後に発覚しやすい。本来、金融機関としては早期に粉飾の"自白"を促したいところだが、現実はかくも一筋縄ではいかないものだ。昨今、経営者保証ガイドラインが浸透し始め、経営者保証や二重徴求の解消の流れが進んでいるが、本稿では、二重徴求している経営者保証の解除に際して粉飾と自白との関係に「囚人のジレンマ」モデルを適用できるか、その有効性を考察したい。

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ほりうち ひであき
87年京都大学経済学部卒。同年住友銀行(現三井住友銀行)入行。91年より05年まで同行ニューヨークにて、審査、不良債権処理、事業再生ファイナンスを手掛ける。07年から15年までGEキャピタルにて事業再生ファイナンスを取り組む。15年からゴードン・ブラザーズ・ジャパンにて、動産の評価、換価、ABLのソーシングを行う。