解説

老後2,000万円問題で問われる資産運用業界の社会的使命

国民目線で「顧客本位の業務運営」を徹底せよ

明治アセットマネジメント チーフストラテジスト /杉山 修司

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公的年金の財政検証は、現役の収入平均を現状6割カバーする年金支給が4割もカバーできなくなる将来像を示した。長寿化に呼応した支給開始年齢の引上げなどは不可避であり、その間のつなぎともなる私的年金の制度充実も急務といえる。だが、企業の負担増となるとなかなか至難の業だ。われわれ資産運用業界は、多様化する企業ニーズに応えつつ、私的年金に不可欠な国民目線での「顧客本位の業務運営」を着実に遂行し、社会的役割を果たす必要があろう。

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すぎやま しゅうじ
東京大学経済学部卒、日本銀行入行。外為市場平衡操作担当などを経て07年スタンダード&プアーズ、11年ドイチェ・アセット・マネジメント、16年明治安田アセットマネジメント。英国政府給付奨学生、LSE修士。