特集量子コンピューターの実装に向けた挑戦

金融が挑む量子コンピューターの可能性とその取り組み

銀行は投融資やその他取引を通じ全産業とつながる経済の結節点

みずほ銀行 情報数理工学研究所 主席研究員 /宇野 隼平

みずほ銀行 情報数理工学研究所 主任研究員 /大塩 耕平

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金融は不確実性を測り、意思決定へと変える産業である。量子コンピューターは、金融が長く向き合ってきた「計算の壁」を将来的に越えていく可能性を持つ技術として注目されている。一方で、その実用化にはハードウエアの進展だけでなく、金融実務に即した課題設定やアルゴリズム、検証の基盤が欠かせない。本稿では、金融分野で期待される活用領域とみずほ銀行の研究開発を概観し、社会実装に向けた方向性を示したい。

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うの しゅんぺい
博士(理学)。物理シミュレーションの研究を経て量子コンピューターの金融応用に取り組み、ノイズ下での量子振幅推定を研究、金融向けアルゴリズムで特許取得。早稲田大学招聘研究員、東京大学客員教授、SQAI副プロジェクトリーダーを兼務。

おおしお こうへい
慶應義塾大学量子コンピューティングセンター共同研究員。量子アルゴリズム、特に量子振幅推定の研究開発に従事。ノイズのある量子コンピューターでの推定精度を高める適応的な測定手法や、将来の量子コンピューターを見据えて回路を浅く保ちながら並列に推定する手法を提案している。