特集再考! 公的資金

金融危機とその対応の変遷から読み解く資本支援制度の検討課題

金融機関のモラルハザードを防ぐべく厳格な制度設計を意識せよ

東洋大学 国際学部 教授 /野﨑 浩成

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リーマンショックに先駆けて平成初期に金融危機を経験したわが国は、ある意味で危機対応については課題先進国といえる。公的資金注入による金融システム安定化はともすると血税による銀行救済などといった批判を浴びがちだが、銀行の破綻処理に伴う社会的コストは、銀行の資本基盤を予防的に強化することに伴うコストをはるかに上回ることが明らかである。他方、公的資金注入を受け入れる金融機関にはモラルハザードの問題も生じやすい。資本支援制度の在り方について過去の制度的遷移を踏まえながら議論する。

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のざき ひろなり
86年慶應義塾大学卒。91年エール大学大学院修了。博士(政策研究)。埼玉銀行、シティグループ証券などを経て15年4月から現職。CFA。日経アナリストランキング1位(銀行部門、15年まで11年連続)。金融審議会専門委員(15、20年)、資産運用立国分科会委員(23年)・資産運用立国フォローアップ分科会委員(25年~)。