特集商工中金 民営化の先

政策金融改革の残された課題と民営化を巡る今後の論点

方針決定後の進行を監視し、改革を推進する体制整備が必要

東京大学 大学院経済学研究科 教授 /岩本 康志

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商工組合中央金庫は2025年6月、完全民営化された。06年に方針が決定された当初は12年3月までの完全民営化が予定されていたが、危機対応を理由に先延ばしされ、実に20年近くの時間を要した。一方、日本政策投資銀行も同時に完全民営化されることが決まっていたが、いまだにその道筋は見えていない。そもそも政策金融改革が対象外とされた機関もあり、包括的なものではない。本稿では、政策金融改革のこれまでを振り返りつつ、残された課題について論じる。なお、ここでいう「民営化」とは特殊法人を株式会社化し、民間に株式を一部売却することを指し、「完全民営化」とは政府が保有する株式をすべて売却することを指す。

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いわもと やすし
京都大学経済研究所助教授、一橋大学大学院経済学研究科教授を経て、05年から現職。日本学術会議会員、医療経済学会会長等を歴任。著書に『コロナ対策の政策評価』(慶應義塾大学出版会)など。