アクセンチュア ビジネスコンサルティング本部 /信森 毅博
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コンダクトリスクは、コンプライアンスとの相違が意識されず、その把握や管理の阻害になっている。コンプライアンスの定義や内容が、論者によって違うことも影響しているだろう。概念整理にどの程度の積極的な意義があるのか不明だが、各人の抱く概念が違うと、今後の理解に困難を生みかねない。本稿では、コンダクトリスクとコンプライアンスの違いについて、顧客保護と顧客本位を例に整理し、コンダクトリスクが注目される背景を解説する。
のぶもり たけひろ
東京大学法学部卒、91年日本銀行入行。11年からコンサルティング会社にて内部統制やコンプライアンス等の態勢整備を支援。20年から金融庁でコンダクト企画室長として顧客本位の業務運営のモニタリング等に従事。23年から現職。
掲載号 /週刊金融財政事情