鈴木総合法律事務所 弁護士 /鈴木 仁史
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鈴木総合法律事務所 弁護士 /鈴木 仁史
投稿日2025.05.23. /週刊金融財政事情
近年のSNS型投資・ロマンス詐欺等において、犯罪者は複数の預金口座を用いて速やかに被害金を移転し、収益を確保している。金融機関は取引モニタリングシステム等を通じて、かかる取引を迅速に検知し口座を凍結する必要があるが、各金融機関がサイロ化された自社の取引のみをもとに対応しても、犯罪集団の全体のネットワークを俯瞰し、不審な取引を検出・凍結することができない。
折しも、4月22日には犯罪対策閣僚会議で決定された「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」において、口座情報の情報共有の促進等が掲げられている。他方、情報共有に際しては、個人情報保護法(以下、個情法)や守秘義務などとの関係が問題となる。そこで今回は情報共有と個情法との関係にフォーカスして解説する。
すずき ひとし
銀行・信用金庫・生損保・暗号資産交換業者等の金融法務、反社対応・AML/CFT、コーポレートガバナンスなどを取り扱う。著書に『金融サービス不正利用排除事典』(共著)、『実務必携信用金庫法』、『マネー・ローンダリング規制の新展開』(共著)、『地域金融機関の保険業務』(共著、すべて金融財政事情研究会)ほか。
掲載号 /週刊金融財政事情