解説

グループ内合併による繰越欠損金の承継を巡る裁判例の最新動向

「法人税法132条の2」の適用否定事例の概要と実務への示唆

西村あさひ法律事務所 弁護士 /伊藤 剛志

西村あさひ法律事務所 弁護士 /増田 貴都

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法人税法上、100%グループ内の法人間の合併であれば、消滅会社の有する繰越欠損金を存続会社が引き継ぐための要件を満たすことができる。ただし「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる」場合には、法人税法132条の2に基づき欠損金引き継ぎが否定され得る。近時、この文脈での同条の適用を争う事案が複数知られており、2024年9月には、従来の判決と立場を異にする第一審判決が下された。本稿では、裁判例の最新動向を紹介しつつ、実務への示唆について検討する。

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いとう つよし
99年東京大学法学部卒。00年弁護士登録。本稿で論じた法人税法132条の2の適用事例を網羅的に分析した『企業取引と税務否認の実務〔第2版〕』(共編著、大蔵財務協会、22年)など、税務に関する著作多数。

ますだ たかと
14年東京大学法学部卒。16年弁護士登録。PGM事件第一審判決の詳細な評釈「法人税法132条の2に関する最新裁判例(東京地裁令和6年9月27日判決)について」を『租税研究』25年1月号に掲載予定。