解説

二つの類型が混在する中小企業の粉飾決算への対応とその課題

AIの活用には、信用リスクと粉飾リスクとの関係整理も不可欠

立教大学大学院 人工知能科学研究科 客員教授 /前田 順一郎

リボーン 代表 (日本リスク・データ・バンク シニアフェロー) /尾藤 剛

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

中小企業の粉飾決算が注目を浴びている。きっかけの一つが2023年7月のベアリング専門商社「堀正工業」の破綻だ。本来、融資の判断を行う際の重要な情報源の一つとして「決算書」を位置付ける金融機関にとって、粉飾決算は自らの融資判断の妥当性を揺るがす重大な問題であり、税務当局にとっても税金を捕捉する上で看過できない問題といえる。一方で、中小企業の場合、粉飾決算の定義が必ずしも明確でないこともあり、この問題を解消するのは一筋縄ではいかない。本稿では、中小企業の会計基準の適用状況を確認するとともに、中小企業の粉飾決算について、一般的な粉飾事案と、複数の決算書を作成する粉飾事案の2パターンに分け、それぞれで取るべき対応策と、人工知能(AI)活用に向けた課題について概観する。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

まえだ じゅんいちろう
東京大学経済学部卒。マンチェスター大学MBA。都市銀行勤務を経てあずさ監査法人に入所。米国KPMG、国土交通省を経て独立。現在は日本公共コンサルティング代表取締役、日本公認会計士協会主任研究員も務める。公認会計士、税理士。

びとう ごう
東京大学法学部卒。あさひ銀行を経て、日本リスク・データ・バンクにて融資、信用リスク管理に係るアドバイザリー業務に従事。20年リボーン合同会社設立。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。応用情報技術者。

アクセスランキング

【きんざいOnlineからのお知らせ】

  • きんざいOnlineでは、安全性向上に向けたシステムメンテナンスを以下の日程で実施いたします。

     

    2024年12月23日(月)10:30〜14:00

    ※メンテナンス終了時刻は前後する場合がございます。

     

    なお、メンテナンス中はきんざいOnlineのすべてのサービスがご利用いただけません。
    お客さまにはご不便をおかけいたしますが、ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

【きんざいOnlineからのお知らせ】

  • きんざいOnlineでは、安全性向上に向けたシステムメンテナンスを以下の日程で実施いたします。

     

    2024年12月23日(月)10:30〜14:00

    ※メンテナンス終了時刻は前後する場合がございます。

     

    なお、メンテナンス中はきんざいOnlineのすべてのサービスがご利用いただけません。
    お客さまにはご不便をおかけいたしますが、ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

アクセスランキング