特集活気づくPE市場

PEの成長が見据える日本の金融市場の新たな景色

M&Aの増加が追い風、リスクマネー供給のさらなる拡大に期待
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 日本企業におけるM&Aの増加を背景に、国内でもプライベートエクイティー(PE)の存在感が増している。上場企業の事業ポートフォリオ見直しなどに関わる大規模案件では、巨額の資金を動かす外資系ファンドがいまだに優位だが、国内ファンドも着実に規模を拡大させてきた。マーケットが広がる中で、セカンダリー取引など新たな投資手法も浸透しつつある。
 長年にわたって低金利環境が継続してきたことも、ファンドの資金調達という面では追い風になってきた。足元では世界的な金利上昇の影響も懸念されるが、投資家にとって高い収益性が期待できるPE投資は、今やオルタナティブ投資の1分野として不可欠といえる。
 海外ではPEの隆盛に伴い、負債性の資金をファンド形式で投じるプライベートクレジットやプライベートデットの市場も大きくなっている。日本でも今後、銀行融資を補完するかたちでそうした手法がいっそう普及する可能性がある。上場市場や銀行システムを介さないプライベート市場の拡大で世界に後れを取ってきたが、その景色は着実に変わりつつある。

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